「あれあれ、悠じゃん」


ようやくりんご飴を買い終えたところで、聞き覚えのある声がかかる。

振り向くと、そこにはキリ姉がいた。


「げ、キリ姉」


「げって何よ、ご挨拶じゃない。
ていうか、なに。結局来てるんじゃん。一人?」


「いや一人じゃ……」


言いかけて、あれ、と思う。

誰かと来てたはずなんだけど。