「まいった、まいったよ降参だ。
だからいい加減返してくれ、マジでそれ大事なもんなんだから」


「そんなに大事なんだぁ、へぇ」


にやにやと笑いながらお手玉のようにケータイをもてあそぶ少女。


「ちょ、やめろって! 落としたら壊れんじゃねーか!」


「壊れたら困る?」


ぴたりと少女が動きを止める。

その顔にはにんまり笑顔。