焼きそば、たこ焼き、わた飴、カキ氷。

目に付いたそばから紫は次々と注文していき、そして次々と食べていく。

まるで魔法を見ているかのように消えていくね。

食べ物と、あと俺の財布の中身が。


「お前、少し遠慮しろよ」


やっぱりキリ姉と来るべきだったかな、なんてちょっと後悔したりしつつもそんなことを言ってみる。

いや、キリ姉はキリ姉で更に遠慮を知らなさそうだが。


「いやぁ、祭りとなるとなんか食べないといけないのかなって思っちゃって」


照れたように笑う、その両手にはフランクフルトとアメリカンドック。

どっちかでいいじゃん。

それ、どっちかでいいじゃん。