「七五三みたいだな」


「子供じゃないってば」


ならその背中の金魚帯は何なのかと。

しかしずいぶんとハマっているというか、綺麗に着こなしているな。

親が着せてくれたんだろう。

撫でられたりおんぶもされたことがないというからどれだけ冷めた家庭なのかと変に心配したもんだが、この様子ならちゃんと可愛がられているんだろうな。


「お兄さん一安心」


「……何言ってんの?」


変な悠君、と笑われながらも腕を引っ張られる。


「ほら、行こ!」


「ちょ、そんな強く引っ張るなよ」


慌てなくても屋台は逃げやしないっつーのに、食い意地の張ったお嬢さんだこと。