そのまま当てもなく、ふらふらと紫と遊んだ場所を巡る。

どの風景もどこか懐かしいのに、具体的な思い出が出てこない。

確かに見たはずの風景なんだろうけどな。

すぐ脇を自転車で走り抜けていく子供達の中に、紫が混じっていないか見るも、やはり姿はなかった。

そういやあいつ、自転車乗れるのかな、なんてどうでもいいことを考えながら、俺は歩く。