あーつまんない、なんて言いながら、キリ姉がごろりと縁側に寝転がる。


「あ、そうだ」


と思いきや、すぐに起き上がる。


「花火ならもうすぐまた上がるじゃない」


「夏祭りの?」


「そうそれ。悠、一緒に行こうよ」


ね、と微笑んでくるキリ姉は、酒の朱も混じって、妙に色気があるというか、可愛らしいというか。

思わず俺、キリ姉との夏祭りを脳内シュミレート。

屋台を二人でわいわい見て、なんだかんだとたかられたりして、でも花火を見る時のキリ姉はなんだか綺麗で……なんで男の子ってこういう時、都合のいい妄想ばかり思い浮かぶんだろうね。