花火はしかし、あっという間に燃え尽きてしまう。

キリ姉は次の花火を手探りで探すが、袋の中身はもう空っぽだった。


「あー、もう花火なーい。
ちょっと悠、花火買ってきてよ」


「最寄のコンビニまで、車で三十分なんですけど」


「じゃあ車より早く走って行ってきてよー」


んな無茶な、と思いながら、俺は燃え尽きた花火をバケツに放り投げて片付けていく。


「つーかキリ姉が行けばいいじゃん。
免許、持ってないの?」


「持ってるけどー……さすがに、これじゃあ、ねぇ?」


そういう手にはビールの空き缶。

いつの間に飲んでたんだこの人。


「はー、酒なんか飲んじゃって。すっかりオヤジだな」


「そこはせめて女性扱いすべきじゃなーい?」