うさのが固唾を飲んで見守っていると、マーブルが早速新しいおうちを見つけて寄ってきた。
「そうそう、その楽しげな出入口から中に入ってね・・・・・・」
祈るような気持ちで見つめるうさの。
そのとき、奇跡が起きた。
うさのの言葉が分かるかのように、マーブルが中に足を踏み入れたのだ。
「はぁぁぁぁ・・・・・・」
うさのが心を込めて作ったおうちに、マーブルが住んでくれた。
本当に幸せを感じたとき、人は歓喜の叫びではなくため息をつく。
そう、誰かが言った言葉を、思い出した。
マーブルはおうちが気に入ったようで、出入口からちょこんと顔を出したポーズで目を細めている。
パインの匂いにやられて朦朧としているわけではない・・・・・・はずだ。
やはり小動物は、狭くて薄暗いところが落ち着くようだ。
マーブルのおうち、大成功!
明日の朝、そっと屋根を外して寝ているマーブルを観察しよう。
うさのは成功の喜びに浸りながら、幸せな気持ちで床に就いた。