洗い終わると、乾燥もほどほどに、作成に取り掛かる。

物を書くときもそうだが、うさのは「製作モード」と呼んでいる精神状態に突入すると、異常なまでに製作に熱中してしまう。
アドレナリンが異常に放出され、人格が変わる。
ジャンボジェットで目標に向けて音速で突き進みながら、行く手を阻む障害物をバッタバッタとなぎ倒していく、そんなイメージだ。

「ウワァハハハア!さぁ作るぞ~」

かくして製作モードのおかげで、30分足らずで「ハムスターのおうち」ができあがった。

紙パックは、そのままだと背が高すぎるので、真ん中部分を切り取り、上と下の部分を利用した。
敢えて接着はしないでおく。簡単に外せるので掃除もしやすく、なにより思う存分ハムちゃん観察ができるというものだ。

壁面の一部を切り抜いて、出入り口も作った。
切抜きの上の部分は角を作らず、丸く切り抜くのがお約束だ。
森の中にある楽しいおうちのドアというのは、大抵上が丸くなっているものだ。

上の三角部分は、屋根に見立てた。
明るいイエローの屋根は、見ただけで心が和む。
我ながら、かわいい。
さらにこの屋根、飲み口をパッカと開ければ暑い日の換気もばっちりだ。
換気をしてあげる振りをして、その隙間から眠るマーブルの姿をチラリとのぞけるかもしれない。
究極のチラリズムだ!

「はぁぁぁぁあう!早く見たい!」

うさのはアドレナリンが放出されすぎて変なテンションのまま、出来あがったばかりのおうちをケージの中に設置した。