そういう育ち方をしているので、ハムスターのおうちも当然手作りだ。
うさのは、飲料コーナーに行くと、500mlの紙パック飲料の中から一番デザインがかわいいものを選んだ。
これで、マーブルのおうちを作る。
「パインティー」などという、よく分からない味の飲料だが、味はこの際関係ない。
明るい黄色にほのぼのとしたイラストが描かれていて、これから始まる楽しいハムスターライフにぴったりだ。
家に持って帰って、すぐに飲んだ。
意外とうまい。
が、味はこの際関係ない。
早くなくなってしまえ。雄牛のごとく、ごくごく飲み干した。
空になった紙パックを、きれいに洗う。
まだパインの匂いが残っている。
動物の嗅覚が人間より鋭いとすると、この甘い匂いは殺人的ではないだろうか?という不安が胸をよぎった。
「おぇ~、なにこのパイン臭、気持ち悪いおぇ~、バタン」
ともだえ苦しむマーブルを想像し一瞬躊躇したが、あまり気にしないことにした。
物事はとらえようだ。
ハムスターの匂いと相殺されて、消臭効果も期待できるかもしれない。