着うたで我に返った。


メールの送り主は上総だった。


『凄い雪、降ってきたよ』


ヵーテンを開けると、窓の外は上総の言う通りの雪景色だった。


だけど、メールは返さなかった。


涙が止まらなくて、メールなんて送れそうになかったから。


晴彦を今更恨んでも仕方ないのは分かっていたけど…晴彦さえいなければ、きっと今あたしは上総をこよなく愛していただろう。


普通の女の子と同じように、上総を好きになったと思う。


でも、あたしにはそれが出来ない。


好きになっちゃいけない。


分かっているのに苦しかった。