「何で、待っててくれたの??」


本当にそれが不思議だった。


今日初めて会話したようなものの私を、どうしてこの寒空の下で待っていてくれたのか。


それだけは本当に疑問なのだ。


「えっ??江夏に少しでも会いたかったから」


開いた口が塞がらない。


もしかして、女好き???


そんな疑問が頭をよぎる。


「今、俺の事女好きだって思っただろ」


ズバリ言い当てられると困ってしまう。


「…ちょっと。」


何で正直に答えてしまったの!?と悔やんでも、後の祭りだ。


しかし上総は、嫌な顔一つしなかった。


「俺、女の子苦手なんだよな。本当は。嘘じゃね-よ??疑うんなら、メンバ-に聞いたっていいよ。」


私は余程疑り深い目をしていたのだろう。


上総は少し焦った感じに言った。


「苦手なんだけどさ…江夏も同じ匂いって言うか、同類だなって言うか…江夏は何か大丈夫だったから、会って間もないけど付きまとってでも…江夏と話したいって思った。江夏を知りたいって。」