「美晴!」




ドキッ…!




「翔……何?」




私が振り向くと、翔が立っていた。




「さっき女子の方の先生に会って、部活は午後からに変更って言ってた。」



「そっか。ありがとう!みんなにも伝えておく。」




「翔ー、帰るぞー!」


「待ってくれよ!美晴じゃあな!」




翔は友達に呼ばれて早くも行ってしまった。


〔バイバイ〕って言うの忘れた……。



ふぅ…。
憂鬱だ。




私は記憶が戻って、一つわかったことがある。



私はブレザーのポケットから携帯を取り出す。




チリーン……。




携帯についているストラップの鈴が鳴る。


私はクローバーのストラップの裏側を見た。



『美晴へ ずっと友達』




この文字は翔が書いたもの。


そしてこのストラップは、記憶をなくしてからの私の誕生日の日に、翔がくれたんだよね。