「俺先生呼んでくるから!!」




翔君は急いで保健室を出ようとした。





ギュッ………。






「み、美晴………?」



私の手は、翔君の服を掴んでいる。




「翔………。」




「えっ…?」




私の目の前にいる彼は、驚いた顔をしている。




「翔…!!」



私はとびきりの笑顔で、その彼の名前を呼んだ。



今度は、心から笑っている笑顔だった。




「美晴…もしかして!!」



「うん……。全部思い出したよ!翔のこと全部!!」




私の目から、また涙がこぼれた。



「あれっ?なんで涙が…?」




私は手で、流れてくる涙を拭った。