杏「おねぇ…ちゃん…」


だけど少しでもこの人の力になれるなら


この人の抱えてきたものを少しでも軽く出来るなら


エスト「杏樹…杏樹!!」

僕は本当の意味で彼女を護りたい


杏「エスト…」


彼女は目を開き
まだ虚ろな状態で僕の名を呼ぶ


エスト「大丈夫ですか?魘されていましたよ」


僕は彼女の頬の涙の筋をなぞる


エスト「泣いていたんですか…」


杏「えっ」


彼女は僕に言われ
初めて気付いたようで
手を重ね涙を確かめる


杏「泣いてたんだ…」


エスト「驚きましたよ。部屋の鍵は開いているし貴方は無防備に変装まで解いてるし」


杏「ごめんごめん」


彼女は少し微笑みながら
男の姿になる