生きていた時の姉はこんな事を言う人じゃなかった


誰からも愛されて


誰にでも優しくて


私が世界で一番愛してた


杏「これは、私」


お姉ちゃんはこんなこと言わない。


こんなに醜く私を見ない。


私が汚している。


杏「…ごめんなさい」


葉月「貴方は許してもらえない」


杏「ごめんなさい」


謝るしかない


葉月「どんなに謝ったって届かない」


お姉ちゃんは容赦なく私に正論を…現実を叩きつける


葉月「だって、私はもういない」


葉月「この世界では、謝れないわ。貴方は償わないと」


見覚えのある、優しい表情に戻る。


記憶を辿る。


葉月「死んで償うのよ。私がいる世界に来て謝らないと」


杏「そうしないといけないの?」


ええ、と頷き微笑みかける。