頭の中に響く。
幼いあの日の切ない記憶。

許さない

絶対に


杏樹貴方は自分の侵した罪の重大さに気ずいているの?


大丈夫だから…


生きて杏…



杏「止めて!!分かってる…。全部私が悪いの…。私が素直に聞いていれば…」


許されないことをしたんだよ


無責任




杏「私はどうすればいい?」


責任をとらなくちゃ


杏「責任…」


責任を忘れないで


杏「(忘れたい…)」


忘れちゃいけない


杏「(忘れられない)」


思い出して


杏「(思い出したくないの。私は…)」


立ち止まるの?


杏「(えっ?)」


そのまま立ち止まるの?
立ち止まって、もう進まないの?

振り返らないつもり?


過去に捕らわれて、過去を忘れて…それでいいの?


それでいいと思ってるの


杏「(いいなんて思ってない。迷っているの。どうやったら許されるのか…)」


杏「(…許されないのか)」


葉月「許されないのよ」


杏「…許してくれないの?」