ということで物騒な爆竹を片手に持っている不良と一緒に、乱闘を繰り広げている不良さん達のところへレッツゴー。


マジで怖い乱闘を繰り広げている不良達に向かって、日賀野は指笛を吹く。


すると数人はこっちを見てきた。


日賀野はもう一度指笛、次の瞬間持っていた爆竹に火を点してブンッと乱闘中心部に投げ放る。




パン―! パン―! パン―! パパン―!  




火薬が弾けて銃声のような音が辺りに散らばる。


よって不良達が挙動不審になり、何事だと周囲を見渡してきた。


一方爆竹の使用犯を知っている不良達は、そんな彼等に対して一気に攻め込む。


なんだか狡い手極まりないけど、これも日賀野の戦略だよな。


あんまり俺達のチームでやらない戦法だから、不慣れな光景だけどこれが相手の戦略。すんなり受け入れられた。

 
不意打ちにより数がグッと減る敵、それを見た日賀野は「何人かこっちに回れ!」協定チーム達に指示。


主に日賀野達チームの協定だから、日賀野の指示を聞くや否や「半分向こうに回れ!」誰かが声音を張っていた。


こうして俺達はその場でドンパチしていた協定チームの半分を引き連れて東エリアに向かうことに。


皆、移動手段はバイクだからチャリは遅れをとりがちだけど、日賀野はしきりに協定チームや魚住と連絡を取り合って挟み撃ちにするための集合場所を定めている。


だから指揮官が少しくらい遅れて現れても大丈夫だろう。


俺は自分の出せる最速スピードで指揮官を乗せたまま、コンテナとコンテナの間にできた小道を走って東に向かう。




「っとっ、うわっつ?!」


「っ、プレインボーイ! 急にブレーキ掛けるんじゃねえ!」




頭上から怒気を含む声が降ってくるけど、しょーがないじゃないか!

いきなり目の前にチャリらしきものが飛び出してきたんだから!


こんな小道にチャリが飛び出してくるなんて思わないだろ! ……ん、チャリ?


俺は目の前のチャリをマジマジと見つめる。


半月に照らされている目前のチャリには健太とモトの姿。

向こうも俺達がイキナリ飛び出したことに驚き、ブレーキを掛けたらしい。



血相を変えて「誰だよ」と健太が悪態を付いている。

対照的にモトが俺と日賀野を指差して「なんだ二人じゃん」何をしているのだとキョトン顔で質問を飛ばしてきた。


何しているも何も、こっちは東エリアに向かっているんだって。挟み撃ち作戦を決行しようとしているんだよ。


率直に返答した後、俺は二人に何しているんだと質問。


二人は救出隊だった筈。仲間のイカバや響子さん、弥生は? 俺の矢継ぎ早の質問に健太は淡々と答える。



「救出隊のバイク組は今、追っ手を撒いているところ。人質の居場所が分かったから、おれと嘉藤は先に倉庫に向かっているんだ。おれはピッキングしないといけないし、でも一人じゃ危ないから嘉藤がついて来てくれている」