そして休日、パパとママの目の前にいる黒髪のサキは、来て早々土下座までしてる。



まだなにも話してないのに…。



「俺はバカだし、なにやっても中途半端な男です!!でもユズとお腹の子だけは全力で守って行きます!!ですから…ですから?」

「です…から?夏川君?」

「えっと…認めてもらうまで帰るつもりはありませんっ!!収入もたかがしれてるし、贅沢な暮らしなんかさせてやれる自信もないです!!だけど笑って暮らす自信ならあります!!」



サキの必死な態度に、パパは笑いを堪えてるように見えた。



ママはもうすでにクスクスと笑っていて。



なにも気づかないサキはひとりで頑張っていた。



「幸せにします!!だから認めてください!!」

「あたしからも、お願いします」



サキの隣に座り、両親に頭を下げた。



サキの努力とか決意とか、そういうのを守ってあげたかったから。



だからあたしも同じ立場になる。



「ふたりとも、顔を上げなさい」



パパの低い声で、恐る恐る顔を上げた。