箸を止めてなにも言わないサキの心はきっと動揺してるんだと思う。



「あたし、自分で親を説得しようと思うんだ」

「でもまた…」

「いくら殴られたってこの子は守るよ。絶対産んでみせる」

「お前が傷つくだろ…」

「どうしようもなくなったら…助けに来てくれる?」



無言で残りのご飯を食べたサキは箸を置いた。



少し怒ったように睨まれた後…。



「少しは俺を信じろよ…」

「サキ…」

「俺にはお前しかいない。お前にも俺しかいない。違うか?」



違わない。



あたしは今、サキに捨てられたら生きていけないくらい落ち込むだろう…。



誰のために学校をやめ、なんのために働きだしたのか…。



全部あたしとの未来のためだ…。



「あたし…頑張るから」

「おぅ…」

「巨乳にはなれないけど…頑張る…」

「きょっ!?」

「好きなんでしょ?巨乳」

「まぁ…って…まさかDVD見た?」



女子高生でもなくなるし、巨乳でもないけど、あたしはサキのそばにいたい。



だから頑張るね。