出来上がった頃、やっと帰って来たサキは疲れた顔をしていた。



「いい匂いじゃん」

「頑張ったよ。2時間かかったけど」

「上出来。腹減った~…。あっ、コレごちそうさまでした」



渡されたお弁当箱。



空であることを願って開けたら、見事にあたしが作ったスクランブルエッグだけが残ってた。



「ショック…」

「あぁ~…ちょっと塩多かったんじゃねぇかな…」

「しょっぱかった!?」

「殺人級にな。だけど初めてだし、気にすんな」



正直者~…。



バカサキバカサキバカサキ!!



「次は頑張れ」

「ガラにもなくすごくショック受けてるあたしがいます…」

「初めてなんてそんなもんだって」



それは励まされてるの?



まぁいいか…。



次は味見してから入れよう…。



「バイト、どうだった?」

「緊張して疲れたくらいで、楽しかった」

「よかった~…。心配でソワソワしてた」

「昼に電話すりゃあよかったな」



サキが頑張ってくれたんだね…。