家に帰って夕食の時間、サキに聞いてみた。



「そんな金ねぇ」

「あたしのための花嫁貯金があるんだって…」

「なんか不本意」

「サキの気持ちはわかるけど、親の気持ちってのも…」

「だよな~…。パピー、ユズ命だしな~…」

「今は悠都命だけどね」



やっぱり式を挙げるなら自分達で挙げたかった。



それに挙げなくても後悔はしないと思うんだよね…。



「どうしよ…」

「ユズが挙げたいなら俺も頭下げるし」

「挙げたいっていうか、断る理由ってのがないっていうか…」

「好きにしていいよ」



責任押し付けたな?



でも実際、男の人なんてそんなもんなのかも。



夢がないっていうか…。



困りました…。



「でも俺、出来ることなら着せてやりたかったよ、ドレス」

「キュンとした」

「真顔で言うな…」

「サキこそ恥ずかしいことサラッと言うな」



キュ~ンとしちゃったじゃん!!



サキの一言で挙げたくなっちゃったじゃん!!