しばらくして病室に帰されたあたしにはやっと睡魔が襲って来た。



サキも泊まり込みってことになってて。



ソファーベッドに横になったサキはこっちを見てる。



あたしも点滴したままサキの方を向いた。



「ユズ?」

「ん?」

「ありがとな」



また涙出るからやめてほしいのに。



サキの気持ちも嬉しいから…。



「幸せな日だね」

「生きてた中でいちばんだ」

「そうだね」

「名前決めなきゃな」

「ん…」

「ゆっくり休め」



意識がなくなるようだった。



スーッと眠り、何時間経ったかわからなくて。



目を覚ました時、お腹が痛くてまだ生まれてないような気分に陥った。



「産んだ…っけ?」



産んだよね?



じゃあこの痛みはなに?



「サキ、腹痛い…」

「もう出たじゃん…」

「だよね…」



昨日の腹よりペッタンコだし…。



その後やって来た先生に後陣痛の存在を聞いた。



出産ってハンパねぇ~…。