もう痛いとこが違う。



骨が痛いっ…。



「はっ!!もう産む」

「ユズ!?」

「もう知らないっ!!ふっ…うぅぅぅぅあぁぁぁぁぁぁ!!いったぁぁぁぁい!!」



その時、口では表せないような気持ち悪い感覚…。



ズルッて!!



「おめでと~!!」

「あっ…ウソ…」



真冬の真夜中、壮絶だった出産が終わった瞬間だった。



大きな声で泣く我が子がなぜか涙で滲む…。



「ヤバッ…カワイイ…」

「お疲れ様、元気な男の子だよ」

「男…」



ダメだ、顔が見えない。



嬉し涙が止まらないっ…。



「サキ…あたし…産んっ!?」

「マジ…ナイわ~…本気でナイ…あぁぁぁ~…ダメだ…」



どうしてあたしより号泣してるの?



立ってただけのサキが。



「あははっ!!泣きすぎ!!」

「わり、感動っ…」

「ちょっとサキ~!!」

「ん、お疲れした」

「ホント…もう産まねぇから」

「なんでもいいっ!!」



涙止まっちゃったよ。