結局なにもできないまま寝た次の日、ゴミを出しに行こうとしたら隣の隣が開いた。



長谷川さん!?



「あっ、おはようございます…」

「おはようございます。もしかしてユズちゃんの旦那さん…」

「そうです!!いつもお世話になってるみたいで…」

「いえいえ、うちが世話になってるんですよ」



こっちも旦那さんがゴミ出しか…。



微妙な空気のままふたりでエレベーターに乗り、『若いね~』『そうですね~。今から会社ですか?』なんてどうでもいい会話をした。



だけど俺の頭の中では長谷川奥さんが長谷川旦那さんにあんなことやこんなことをしちゃってる光景が…。



羨ましいっス、旦那さん。



「これからもよろしくしてやってくださいね」

「こちらこそ!!」

「じゃあ、僕はこっちだから」

「あっ、はい」



旦那、いい人そうじゃねぇか。



爽やかなサラリーマンで。



30くらいかな?



やっぱり高級取り?



長谷川旦那さん、尻に敷かれてるんだろうか…。