その足で向かったのは京の家。



結婚初夜以来久しぶりに来た…。



「おじゃましま~す」

「おぉ、咲都か。京ならいねぇぞ」

「マジで?じゃあいいや、遊んでよ拓」

「嫁はどうした?」

「同窓会~」



京がいなくて京の兄貴の拓がいた。



結構やんちゃしてた兄貴で、俺もかなり可愛がってもらってるから拓は好き。



まだ22歳で、去年亡くなった父親の代わりに土木の会社の社長をしてる。



拓は尊敬しちゃう。



「ユズ元気か~?」

「まぁそれなりに~」

「そうか。ほら、お茶」

「ジジくせぇよ拓…」

「黙って飲め!!」



ホットな緑茶を煎れてくれた拓と新婚生活の話しをした。



主にケンカばっかりだって話しだけど。



ユズと俺の関係を知ってる数少ないひとりでもある。



「新婚旅行も行ってねぇのか…」

「だって金ねぇし。な~んもしてやれてね。ドレス着せるとか指輪やるとかさ、実際難しいし」

「頑張れよ」



頑張ってんよ。