「だーかーら!無理だってば」
 
「えぇ〜?折角のイヴじゃん!俺、アキちゃんに会いたいし」
 
「妹が落ち込んでるのに、姉のアタシだけ楽しんでたら、明菜が可哀相でしょ?傍に居てあげないと」
 
「…もうアキちゃんなんか知らねぇ!」
 
 
そう言われ、一方的に切られた電話。
アタシにとって、明菜も稔も、同じ様に大切で。
 
落ち込んで、ふさぎ込んでる明菜を放っておく事なんて、アタシには無理だった。
 
 
どうして分かんないのよバカ!
 
 
そりゃ、カップルにとって定番のクリスマスに一緒に居られないのは、悪いと思ってるわよ。アタシだって、そんなに冷たい訳じゃない。でも、明菜の事少し位心配したっていいじゃない。
…頭冷やせばいいんだわ、あの人。
 
 
突然、ケータイが鳴り出して、少し驚いた。
 
 
「どうしたの?」
 
「さっきはごめん!勝手に電話切って…。アッキー大丈夫なの?俺の事は気にしなくていーよ。その代わり近い内に会おうな?好きだぜアキちゃん」
 
 
こう言う所が、アタシが惚れた所なのかしら。
なんて1人、電話口でにやけながらも、稔に謝った。アタシ、こんなんだけど、稔に愛して貰えて凄く幸せだわ。
 
 
「稔、大好きよ」
 
 
 
 
 
-END-