「うふふ。お買い物の途中で会ったのよ〜」

 そう言って長身の明美さんの後ろからひょっこり現れたのは、上から下までピンクハ●スばりの派手な服装でキメた私のお母さん。

「せっかくだからうちで一緒にお夕飯食べましょうって事になって今2人で帰ってきたの。ねーっ」

「なーっ」

 母親2人は顔を見合わせにっこりと笑った。

 ふりふり命でピンク大好き、鳥肌が立つほど少女趣味な私のお母さんと、へそピアスが眩しく性格も限りなく男前な明美さん――格好が年令不相応(ぶっちゃけ若造り)という部分以外は全く正反対なこの2人が、高校時代どういう経緯で無二の親友になったのか。昔から疑問に思っていた。

 何回か訊ねてみた事もあったけど、「うふふ若い頃は色々あったのよー」または「あたしもあの頃は青かったからさー」で片付けられてしまった。最近は私も諦めて、訊ねるのをやめた。

「きゃあ七ちゃん可愛い!とっっても似合ってるわ〜」

 お母さんがエプロン姿の七緒を見て瞳を輝かせる。

「七ちゃんみたいな可愛い子に着てもらえればそのエプロンも幸せねぇ」

「……う、嬉しくないデス」

 七緒は、素直だ。