蝉が落ち始めて、うだるような夏が終わる8月下旬、僕こと成川修(なるかわおさむ)は父親に連れられてこの街に住み始めた。

そして夏休みが終わる頃には青陵高校3年A組への転入手続きを済ませ、ごく当たり前のように用意された机と椅子を使うことになった。

座るたびにきいきいと音を立てる僕の椅子は、まるで新しいクラスメイトが新参者の僕を笑っているようにも思えた。