「…夏美だけじゃなく、由紀乃が幸せになってくれることを、修也さんは望んでると思うよ…」


難しい顔をして俯く私に、お母さんは穏やかな表情で、目を細めていた。



「……お母さん…」

お母さんの優しさが、胸にグッ…と来て、私は今まで張り詰めていた、緊張の糸が…プツン…と切れたように崩れ始めたのだった…。



…幸せか…



気づいたら、もうこんなに年を重ねて来ていたのね。