「…猫を飼ってらっしゃるのね、名前は?」


「みぃ助、雄猫です。捨て猫を拾って家に連れて帰ったんですけど…。年齢は不明なんです」


「動物を捨てるなんて、無責任ですわねっ!」


私は、ついムキになってしまい、少々声を荒げた。


夕霧さんは、それを見て、少々驚いてみせたが、すぐに優しい笑顔を戻すと「草壁さんは、心の優しい方なんですね…」と言葉を続けた。