「……失礼ですが、恋人はいらっしゃるんですか?」


いきなり私は、なんて失礼なことを…。


「いえ、いません」
夕霧さんは、首を左右に振る。


こんな優しそうな人なのに、恋人が居ないなんて…。


他愛もない話をしていると、チーズケーキと、レモンティーがテーブルの上に置かれた。

「ごゆっくり、どうぞ。」


レモンティーの上品な香りが、湯気と共に上へ上がっていき、私の鼻をくすぐる。


「いただきます」

早速、レモンティーを一口頂く。


「美味しい…」

暖かい飲み物が、私の身体をふんわりと包み込んでくれるような感じがした。


「本当に美味しい…」

夕霧さんも、ウンウンと頷いている。