「どうし…「どうしたじゃないよ!」」

あたしの言葉を遮った雪音の口からは驚きと怒りが混ざっている

多分…いや確実に、怒りはあたし宛だろう

「だから…「て、転校生!」」

そしてまた言葉を遮られる

はぁ、転校生ごときで何をそんなに興奮するのだろうか

早く見ろと言わんばかりに熱血教師の立つ黒板を指している指を見て、ふぅと小さくため息を吐きゆっくりと振り返る

ー…梅雨の匂いがした

ほんの一瞬
転校生と目があった

少し明るい栗色の髪、いかにも猫っ毛のふわふわな髪、綺麗なブラウンの瞳、細身な長身。

雪音が顔を赤らめるのも無理はない