「何で俺を止めたんだ?」
そう言って俺は、この子の顔を見た。
「私の顔、なんか付いてますか?」
・・・・・嘘だろ?
こいつ、比奈と似た顔をしてる。
「比奈っ・・・・・・・!」
思わずその子を抱き締めてしまった。
「イヤッ・・・・・!!」
もちろんその子は比奈じゃなかった。
「わりぃ・・・・。」
「いえ・・・・・・。」
気まずい空気が二人の間に流れる。
「私、もう目の前で死ぬ人を見たくないんです。」
少し訳ありのようだ。
自殺しようとした俺も訳ありだが・・・・。
「実は私の彼、事故に合って、私の目の前で死んでしまったんです。」
初めて会った俺に、過去の事を話してくれた。