「それで、どうするの?」
由佳は隆志の机の正面に座り、聞いてきた
「とりあえず、日記から推測すると…」
『先輩』は
1.美咲の男子クラスメイトのクラブの先輩
2.美咲とは顔見知り
3.美咲と同じ電車
「結構絞れるわね」
「あぁ…でも、この事件は事故で片付いたから、あまり派手な捜査はできないな」
「被害者の友人からあたっていくのが妥当かしら」
「それはケータイのメール履歴からわかるな」
隆志は美咲のケータイを手に取り、一番やり取りの多い『春日麻由美』を選んだ
「もしかしたら、この子が『先輩』のこと知っているかも」
時計を見たら、今は8:17だった
「電話してみる」
隆志は自分のケータイに『春日麻由美』の番号を打ち込み、電話をかけた
コール音が十回ぐらい鳴ったところで『春日麻由美』は電話にでた
『もしもし』
少し低いが、綺麗な透き通った声がした
「春日麻由美さんですか」
『そうですけど…』
警戒しながら春日麻由美は応えた
「こちら、警察のものですが」
隆志がそう言うと、春日麻由美は少し黙り、『美咲のことですか』と尋ねた