もう…夜か
隆志はため息をつくと、栗田咲子から預かった日記と携帯電話を出した
手がかりはこれだけ…少ない
刑事の仕事もあるから、それを終えてからやるしかない
何で引き受けたんだろ、俺
さて、やろうかと気合を入れたとき、ドアが開いた
隆志はビクッと驚き見ると、由佳がいた
「うっ…わー…びっくりさすなよ」
「何で…いるのよ」
由佳も驚いているみたいだった
「ん…まぁ、いろいろと」
「何?」
由佳が近づき、隆志の机の上に散らばった美咲の日記と携帯電話を見た
「Diary…あれ、あんたケータイピンクだっけ?」
「なわけないだろ。栗田美咲の」
「…何、何かあったの」
「栗田咲子から、依頼」
「何の」
ん、と隆志は由佳に日記を突き出した
由佳は付箋の貼ってあったところを開いた
「『先輩』を探してくれだって…」
由佳はしばらく日記を読み込んでいた
読み終わり、日記をパタン、と閉じるとため息をつき、「また面倒なこと引き受けたの」と隆志に尋ねた
「この子も、健気ね。片想い…若いわね」
「オバサンかよ」
隆志が独り言のように呟くと、由佳はキッと睨んだ
「で、どうするの?」
「手伝ってくれんの?」
「手伝ってほしいの?」
相変わらず、かわいくない…
「手伝って」
「なんかおごってよ」
「まじかよ」