今日の晩御飯は鯛飯だった
昔と変わらずにぎやかで、落ち着く
ばあちゃんがいない、というのを除いたら
ご飯の後、縁側に座って缶ビールを飲んでいると、横に叔父の宗太郎が座った
隆志は叔父と乾杯をし、缶ビールを口につけた
「隆志くんは、結婚しないのか?」
唐突に聞かれ、思わず噴出しそうになった
「…なんですか、いきなり」
「特定の人がいないんであれば、香澄はどうかなーと思ってな」
「何で香澄何すか?」
「香澄、彼氏が出来ないんだよ」
「知らないっすよ…」
「香澄のこと心配なんだよ」
「…俺は恋しませんから」
「…麻子ちゃんのこと、まだ引きずってるのか」
「…」
「ねぇー隆兄ぃーちょっと話があるんだけどー」
しばらく沈黙が続いたが、階段から降りてきた香澄が隆志を呼んだ
隆志は缶ビールを飲み干し、はいはいと言いながら上に上って行った