由佳たちは中に入り、由佳は麻由美にまた変な質問をした
「ねぇ…普段、あなたたちはどこにいるの?」
麻由美はよく分からないという顔をしながらも、「あそこです」と
体育館の上の2階の部分を指差した
入り口の側に二つ、階段がついてある
上にはバドミントン部のものと思われる荷物が置いてある
「美咲とよく、上から先輩達のプレーを見てました」
麻由美がそう言っている間、由佳が階段を昇り、
ちょうどバドミントン部の荷物が置いてある場所まで来た
「ねぇ!来て!」と隆志に向かって叫んだ
「何…」と隆志は階段を昇り、由佳の元へ行くと、
「あれ…」と窓の外を指差した
窓の外ではサッカー部が練習をしている風景がよく見える
『先輩』もはっきりと見えた
「いつも、見てたんだろうね…ここから」
「…あぁ」
「すごい、好きだったんだろうね…」
「恋なんか、しなきゃよかったのに」
隆志が苦々しく言った
「だったら死ぬことなんてなかった」
由佳は隆志の顔を見て、そうね…と呟きながらまた窓の外を見た
「…でも、恋をしなきゃ生きることはできないわ」