―次の日―

朝ご飯を食べ終えると、すぐさま車椅子に乗って彼女を探しに行った
彼女はすぐに見つかった
昨晩の、一階の受付ホールのソファーに座りテレビを見ているようだった
声をかけたいと思ったが、言葉が見つからなかった

彼女が座る2、3メートル後ろで、しばらく動けずにいた
その後、しばらく言葉を探したがやはり見当たらず諦めて帰ろうとした時だった
「淳くん、どうしたの?」
「うわぁ。ゆ、優子さん…」
急に背後から優子さんに声をかけられた
その声にびっくりした僕は軽く驚きの声をあげた
「うわぁ」
周囲の人達の視線が、僕と優子さんに集まる
その視線の中に彼女のもあった
それに気付いた優子さんは、突然彼女に向かって手を降ってから手招きをした
「ゆいちゃんっ」
彼女は優子さんを見ると、立ち上がりこっちへ歩いてきた

こっちへ向かって来る彼女を見て、昨日と同じように胸がドキッとした
「…えっと…こんにちは」
彼女は、僕達二人の前まで来ると僕を見て小声でそう言った
僕は心臓の鼓動が徐々に早まっているを感じた
「こん…にちは」
なんとなか挨拶をするもうつむいてしまい、さらに心臓の鼓動は加速していった
そんな僕を置いて二人のやりとりは進んだ

「ゆいちゃん、これ。頼まれてたものだよ」
「…ありがとうございます」
「どういたしまして」
ポンっと、横に立っていた優子さんに肩を叩かれて顔を上げた
すると、彼女はしゃがんでいて顔がすぐ目の前にあったので失神しそうになった
「…大丈夫ですか?」
彼女からそう言われてなんとか出た言葉は「大丈夫です」だった