オレには古傷があった。

小学生とか中学生ごろに小指を骨折したり、転んで足にやや激しめの擦り傷を作ったりした。

それが何の前触れもなく、時々痛むことが未だにある。
既に15年は経過しているにも関わらず…。

時々思い出す…。

既に男女関係を精算した元カノと呼ばれる連中たちを…。

その大半が2~3ヶ月ほどで終わっていた。

しかし、思い出すときは鮮明に思い出す…。

彼女たちが醸し出していた空気感…。
触れ合っていたときの感触…。
そして、匂いや味…。

その中の1人にカオリがいた。
あまりに唐突な出会いと別れ…。
そして、何よりも記憶に新しい…。

また、あのときに戻りたいとは思わないが、それでも時々思い出す…。