「さ、佐々木くん・・・ちょっとだけ・・いい?」
ある日の休み時間。
翔君は知らない女の子に連れて行かれた。
これは・・・
「告白、だね」
「完全にね」
そーですよねー・・・
あたしの隣でうん、うんと頷いてる女子二人。
ナカちゃんとまゆゆだ。
あたしの翔君への気持ちを知っている、あたしの親友。
「で、いいの?」
まゆゆは、カッと目を見開いてあたしを見た。
こわいし・・・
「よくないけど・・・あたしに止める権利なんてないし・・・」
「いかないでーとか、あるじゃん?」
「だって、そんなの図々しいし・・・」
最近、翔君はよく呼び出される。
もちろん、女の子に。
きっと、もうすぐ文化祭とか体育祭とか、イベントがたくさんあるからだと思う。
「だからって、このままだったら取られちゃうよ?」
「そんなの、もとからあたしのじゃないもん」
それに、取られるとか、ないと思う。
だって、翔君はまだ・・・
二人には翔君の昔の事とか、彼女のこととか・・・
ちゃんと話してある。
話してある・・・んだけどなぁ・・・
「うじうじしないっ!」
どーも分かってくれないみたいです・・・