「…~♪」
歌っている曲が変わった瞬間、あたしは声の元に辿り着いた。
208号室 佐々木 翔
おじいちゃんの病室の丁度真上の部屋だった。
病室のドアは開いていて、ベッドの上に凄く痩せている少年が、窓の外を見ているが見える。
「♪~」
彼はあたしに気づかないで、歌い続けていた。
彼が、この声の持ち主。
陽の光が、彼にふりそそいでいて、まるで天使のように綺麗だった。
「…綺麗」
「っ…え?」
「えっ!?」
彼の歌のサビらしき入ったとき、あたしは思わず声を上げてしまった。
え、今、声に出てっ・・・
やばい…
「誰?」
「ぅあ…えっと…その、えっとめちゃめちゃ綺麗だなーって!それで、見に来て!それから、天使がいて・・・」
「??」
駄目だ。
自分でも何言ってるか分からない。
絶対変な人だと思われてる。
恥ずかしいよ~・・・