鞄は教室に置きっぱなし。 唯一持っているものは、制服のポケットに入っている携帯と、マンションの鍵だけ。 「はぁ…はぁ…」 でも、今の私にはそれだけで十分かもしれない。 「ふ…」 止まらない、涙。 頭の中を巡る、過去。 壊れた心は、修復できるだろうか。 再び心に鍵をかけ、閉じ込めることができるだろうか。