俯いて言葉を探しているとー…
「…わかった」
と、先生の声が聞こえた。
"…わかった?"
ぱっと顔を上げると、ふっと笑った山口先生が目に入った。
「家庭訪問のことは、もういいから。放課後、ちょっと話そうか」
「…話す?」
「そう。それで家庭訪問のことは、チャラにしてやる」
「チャラって…」
「あ、他の奴らには内緒な。じゃ放課後、準備室に来るように」
「…」
来るようにって…
山口先生の言っていることが理解できず、俯いて考え込んでいるとー…
「ちょっと話すだけだから。大丈夫」
安心させるように微笑み、マナの頭を優しく撫でた。