声がした方を見ると、屋上の扉の前に柳先生が立っていた。
「どうして・・・」
「櫻井、家に帰ろう?」
家に帰るってー・・・
「先生、私は・・・」
「言っただろ?一緒に暮らそうって」
「!」
でもー・・・
「・・・どうせ、都合が悪くなったら捨てるんでしょ?」
「櫻井・・・」
お父さんと、お母さんみたいに。
山口先生のときみたいに。
「そんなのに振り回されるのは、もう疲れた」
私を受け入れてくれた人は、皆すぐに離れていく。
そういう繰り返しなら、もう誰もいらない。
私は、一人になる運命だったんだ。
そして、今日運命を終わらせる日なんだ。