私の知らないとこで、話が進んでいた。
柳先生が一緒に暮らそうって言ったのは、私の保護者になったからー・・・
あの親にでも頼まれたのだろうかー・・・
自分たちが面倒見れないからって、赤の他人の担任の先生に頼むなんてー・・・
じゃあ何で、私はお父さんとお母さんの子供として産まれて来たんだろうか?
何のために生きてるんだろうか?
「あ、あなた305号室の櫻井さん?」
「・・・はい」
名前を呼ばれ我に返ると、自分がいつの間にかマンションに戻ってきていたことに気づいた。
声を掛けてきたのは、マンションの管理人さん。
「昨日、あなたの親御さんかしら?電話があって、今月いっぱいで契約を切りたいって言われたんだけど」
今月いっぱいー・・・
そんなに早く?
「それで、申し訳ないんだけどさ・・・次の入居者さんが今待ってる状態なのよね。今月いっぱいって契約だけど、なるべく早く出て行って欲しいんだけど・・・」
なるべく早くかー・・・
「・・・わかりました」
「助かるわ。じゃあ、出て行く際には声を掛けてね」
そういうと、管理人さんは行ってしまった。
・・・住む場所がなくなる。
このままだと本当に学校もー・・・