…!海斗っ!!


「きゃああ!!海斗様!!翠が…私をカッターで切りつけてくるんです…助けてください。」


えっ!?何言ってるの?


カチャ…


…!!カッターナイフ!いつの間に!?


あたしの手にはさっきまで無かったカッターが握られていた。


なん…で?


「み…翠?お前!!」


「あ…海…斗」


海斗は美里を抱きしめている…


「なんで?翠…私信じてたのに」


美里の口元が笑ってる…

美里?
それはこっちの台詞だよ!!


「翠…お前はそんなヤツだったのかよ!!」


「海斗…違っ…」


「ごめん…もう俺お前守れる自信ないわ」


え…なんで…ナンデ?


相変わらず美里は海斗に抱かれながらあたしをみて嘲笑うかのように笑ってる…


「翠…もう別れよう。天野…行こう」


…!!海斗っ!?


校庭に咲く桜の木の下…


あたしは一人で泣いた…。

誰も傍にいない…

ダレモイナイ…ソレハ…ヒトリ


あたしはずっと泣いた


雨が降り出した。

…空も泣いていた。