その中を見てみると…。

「これ…俺が好きな飲み物と食べ物?」

買い物カゴには、龍司の好きな物だけじゃなく俺の好きな物までも入っていた。

「ああ。どうせ和也と話しでもしてるんだと思ったからな。」

「えっ?」

少し微笑みながら龍司は俺を見て言った。

「なんか皐と和也似てそうだしな。」

「「……」」

龍司の言葉に俺と和也は唖然としてしまった。

(まさか…俺たちと同じことを考えてたなんてな…)

そんなことを思っていると

「じゃあ、和也。俺たちも選ぼうぜ。」

陽介が目線を和也に移して言い2人で飲み物と食べ物を選びに行った。

「じゃあ、俺はレジに行ってくるわ。」

そう言ってレジに向かう龍司を俺は

「あっ!待て、龍司!」

龍司の服の裾を掴んで呼び止めた。びっくりした顔で龍司が俺を見る。

「おっ、俺も一緒に行くよ。」

少し恥じらいながら言うと何故か笑顔で龍司は

「了解!」

そう返した。買い物を終え陽介たちがレジに行ってる間も龍司は、ニヤニヤしていた。

「お前…なんでさっきからニヤニヤしてんだよ。」

「いや、変わってないなって思ってさ。」

嬉しそうに笑いながら龍司は答える。

「はっ?」
「そうやって俺の服の裾を掴んでくっついてくるとこ…」

優しく微笑みながら龍司が言うと俺は小さい頃の自分の行動を思いだし

「…っ…」

恥ずかしくなって思わず下を向いてしまった。