そんな陽介に対し和也は、黙ったまま力強く陽介の頭を叩いた。

「〜っ〜和也、なにするんだよ〜」

いつものように甘えた声で陽介が言い返すが和也は
無言で何かを訴えていた。

(((…怖っ…)))

この時、俺たち全員がそう思った。そして、なんとか食事を終えそれぞれの学校へと向かった。和也たちと別れた後

「…皐…今日、放課後、予定あるか?」
「えっ?別にないけど…どうかしたのか?」
「いや、久しぶりに練習があるから…その…」

その言葉に俺は、直ぐに理解し

「ああ…いいよ…終わるまで教室で待っててやる。」

いつものように答えると龍司は、満面の笑顔を浮かべて喜んでいた。そんな俺たちの会話を聞いていた由岐は

「…お前ら…いい加減その恋人みたいな会話をするのはやめろ!」

呆れながら俺たちに言い返してきた。

「「はっ?」」
「たくっ。聞いてるこっちが恥ずかしくなる。」

ため息をつきながら言う由岐に対し

「なんだよ、羨ましいのか?」

龍司は、俺の肩を抱き勝ち誇ったように言い返した。

「「……」」

その言葉に呆れ俺と由岐は、さっさと歩き初め学校へと向かった。その後を龍司が慌てて追いかけてきた。

「ちょっ…待てよ。俺を置いていくな!」
「お前が変な事、言うからだろ!」
「はっ?なんでだよ!俺が皐を好きなのは、事実だろ!」
「「!!」」

丁度、門に着いた所で龍司は、大声で発言をした。その為、俺たちは、全クラスの噂の的となった。そして、その噂がクラスのみんなの耳にも入ったのか俺たちが教室に入った瞬間、男子たちには、笑われ女子たちには、何故か期待をされていた。そんな騒ぎの中

『3年2組、星野皐。至急生徒指導室まで来るように』

放送がかかり俺は、賀川先生に呼ばれ鞄を机の上に置き急いで生徒指導室へ向かった。