翌日、龍司も由岐も変わらず笑顔で俺に話す。それは、和也と陽介も同じだった。

今の俺たちは、星城高校に受かるため勉強に集中することが大事だった。それでも龍司たちの優しさが俺には痛かった。

「「「「……」」」」
「…」


(…なぁ、龍司。もしかして…)
(んっ?ああ…気にしてるんだろうな。)
(…)

静かに勉強をする中、妙な視線を感じた。

(…めちゃくちゃ視線が痛い…)

そして、俺は、恐る恐る顔を上げた。すると

「!?」

龍司たちの目がじっと俺へ向けられていた。

「なっ、なんなんだよ!お前らは!!」

さすがの俺も昨日からの龍司たちの視線に痺れを切らし叫んだ。

「昨日からなんだよ!俺に何が言いたいんだ!いい加減にしないとマジで怒るぞ!」
「「「「…っ…」」」」

ところが次の瞬間

「「「「あははははっ!」」」」
「!?」

龍司たちは、笑いだした。

「なっ!なにがおかしいんだよ!」
「あははっ!いやっ…いつもの皐だなって…」
「!?」
「やっぱ、皐は、そうでないと面白くないよ!」
「そうやって怒鳴って笑ってくれた方がいい。」
「それが皐なんだからさ。」
「……」

龍司たちの言葉に俺は、胸が熱くなり目に何かが込み上げてくるのを感じ顔を下へ向けた。

「「「「……」」」」

そんな俺に龍司は、何も言わずただそっと優しく抱き締めてくれた。その優しさに俺は、涙を流した。
二時間がたち俺は、恥ずかしくて顔を上げられなかった。